大垣-ソフトピアジャパン-

岐阜市に隣接する大垣市は工業の町です。
新しいもの造りを応援するため、IT産業の振興を計り、この建物はできています。
設計は、ソフトバンクのCMで有名な若尾文子の夫、今は亡き、黒川紀章氏です。
私が建築の勉強をしていたころ、丹下健三の率いる弟子の中でも磯崎新と共に筆頭的存在でした。
メタポリズムを提唱し、都市も建築も、増えたり減ったり自在な変化に対応できるものでなくてはいけないという論理です。
銀座の中銀カプセルが実現した代表作品です。
とりあえず作品を見てみましょう。

■メインの高層ビルの上には2本のタワーが立ち、夜はカラフルなライトアップがされます。

 

 

 

 

■東西に一直線に3棟の建物が配列され、1番東の建物です。
三日月状の屋根が特徴です。

 

 

 

■とんでもなく玄関庇が伸びています。

 

 

 

 

■中間に水盤のある、水庭を介して笹の葉型の屋根が特徴の建物が見えます。
なんだかユニークな写真ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■正面から見ると、いかに直線的に建物が配置されているか分かります。

 

 

 

 

 

 

 

■黒川氏の若い時の作品、東京の中銀カプセルです。

北方-県営住宅-

岐阜市の北西部、北方町にある古くなった県営住宅を解体して、新しく共同住宅を建てる構想を建築家、磯崎新氏に当時の県知事が託しました。
磯崎氏の提案は、女性建築家他数に競わせるように、全てバラバラのデザインの共同住宅を建てさせるものでした。
共同住宅は全体に統一感を持たせるデザインが一般的です。
これはとても画期的な発想で、危険な挑戦でもありました。
当時、県知事も女性の建築家なら、別々のデザインでも柔らかい感性の住まいになるだろうと思って決定したのでしょうね。
実際はハードです。一棟ずつ見てみましょう。

■まず敷地のコーナーを占めた建物です。設計はクリスティン・ホーリー氏です。

 

 

 

 

■隣接して妹島和代氏の建物が見えてきます。

 

 

 

 

■日本を代表する女性建築家です。

 

 

 

 

■さすが、単純そうに見えて複雑なマチィエルのファザードをしています。

 

 

 

■メゾネット型式の住居になっているのが分かります。

 

 

 

 

■彫刻もよく似合います。

 

 

 

 

 

 

 

 

■裏側の階段も実に大胆です。

 

 

 

 

■その裏に エリザベス・ディラー氏の設計による建物があります。

 

 

 

 

■南側のバルコニーが建物のファザードを作っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

■その隣にある建物は 高橋晶子氏による建物です。独特なバルコニーのデザインです。

 

 

 

 

■裏へ廻れば、廊下がブリッジのようで素敵です。

 

 

 

 

 

 

■裏側とはいえ、とてもバランスのとれたデザインです。

 

 

 

 

■以上、見てきましたが、女性的な建築だったでしょうか。

岐阜-長良川国際会議場-

■先日ASJ企画の、県外の建築家7名を含む「未来をのぞく住宅展」に参加しました。
会場は長良川国際会議場でした。
この建物は安藤忠雄氏の設計による建物ですが、建築雑誌等あらゆるメディアに掲載されていません。
つまり、安藤氏が自らの作品として認めていないということです。
よほど安藤氏の思う建築の重要な部分が、この建物に欠如しているかということでしょうか。

安藤氏の足元にも及ばない私ですが、岐阜市が世界的建築家の設計を変更させ、屈辱的な思いにさせた理由を建築の中に探してみたいと思います。

■まず道路からの外観、隣接してルネッサンスホテル(現都ホテル)があります。

 

 

 

 

■ホテルへの連絡ブリッジと屋上へ上がることができる広い階段があります。

 

 

 

■建物正面のファサードです。
いつもの安藤さんは、ここまでファサードを厳格にしないような気もします。

 

 

 

■屋上にはガラス面の多いBOXが4本あります。

 

 

 

 

■裏へ回ってみると、巨大な卵のような球体があります。

 

 

 

 

■なにか建物からはみ出たのか、食い込んだかのように見えます。
この内部に同時通訳の設備のととのった国際会議室があります。

 

 

 

■よく見ると何か、卵の一部が欠けているように見えます。

 

 

 

 

■卵の殻を削って、何かの機能を持たせる要望があったのでしょうか。

 

 

 

■国際会議室の内部です。
現在私達が建築展をしています。

 

 

 

■あの卵の欠けているのは、この会議室の一部に開口部を設け、バルコニーにしたんですね。
なるほど、岐阜の象徴である金華山と長良川が美しく眺望できます。

 

 

■でも卵の中で議論され、高い精神性のもと、高めていく国際社会における人間の熟成を計る国際会議室において、外部に開いてしまう建築はどうかと思う。
安藤氏それを嫌ったような気がします。

 

■また屋上庭園から、長良川、金華山に向かって降りていく御影石のピンコロの広い階段も、やや疑問をいだきます。

 

 

 

■おそらく安藤氏なら、長良川堤の下まで降ろさず、長良川にもっと近づく案があっても不思議ではありません。

 

 

 

■隣接する建設省(今の国交省)の反対と、岐阜市の腰抜けの対応がおそらくネックだったと思えます。

 

 

 

 

■さて、まちがい探しはそのくらいにして建物を見て廻りましょう。
エントランスから入って右側に円型の屋上まで吹き抜けている多目的なホールがあります。

 

 

■ここでコンサートをやったり、色々なパフォーマンスができるホールです。

 

 

 

 

■最上階は屋上庭園につながるガラスのBOXがあります。

 

 

 

■玄関ホールへもどって正面を見ると湾曲した階段で上へ上がります。

 

 

 

■トップライトと側面のFIXの窓、安藤氏らしいデザインです。

 

 

 

 

■階段を登り切ると、国際会議室のホールに着きます。
卵の片鱗が見え左側に強い光の窓があります。

 

 

■水庭、卵、ブリッジ、階段と安藤氏らしい空間がひろがっています。

 

 

 

 

■このホールより、また湾曲した階段で国際会議室へ上がります。

 

 

 

 

■やっと、また国際会議室に辿り着きましたね。展覧会をやってます。
ほんとに、ここまで来て頂いたお客様に敬意と感謝を申し上げます。

各務原-瞑想の森-

各務原市の西、つまり岐阜市との境の小高い山すそにこの建物は建っています。
昔からの古い墓地と火葬場があった場所です。
現在隣接して新しい工業団地が造成され、工場建設のイメージの悪い墓地を、何とか明るく美しい環境に変えたいという思いで、各務原市は石川幹子氏にランドスケープの依頼をし、
墓地を整理して山すそを整え、メインの斎場を墓地より離し、工業団地の中間に配置し、美しい斎場を配置しようとしたように思えます。
そして石川幹子氏はそれにはメインの斎場と周辺の設計は伊東豊雄氏が適任と考えられたのでしょう。
伊東さんの柔らかい建築は、人間の心を和ませる力を持っています。
これが安藤忠雄さんだったらどうでしょう。少し力強すぎるかもしれません。
もしこれが槇文彦さんだったらどうでしょう。ちょっと繊細すぎるかも。
このランドスケープにぴったりなのが伊東豊雄氏の設計による斎場です。

■工業団地を左に、めい想の森斎場にアプローチします。

 

 

 

 

■瞑想の森のサインです。

 

 

 

 

 

■山のすそ野にキレイに整備された墓地が見えます。

 

 

 

 

■斎場の脇に大きな池が配置され、水面に反転して斎場が写ります。

 

 

 

■屋根を支える柱は、足元が細く上に上がるほど太くなり、上部で大きく開きます。
まるで蓮華の華のようです。

 

 

 

■仏教でいう蓮華は、下界と浄土を結ぶ大切な架橋のようです。
脇にある大きな池も蓮華池にする予定でしょうね

 

 

■エントランス廻りもさすが、伊東豊雄さんらしく綺麗なデザインですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■ホールからも蓮華と墓地のランドスケープされたデザインが見渡せます。

 

 

 

■待合ホールからは蓮池と対面します。
伊東豊雄さんは、ひょっとして仏教、浄土信仰に造詣が深い方かもしれませんね。